人間動作の無標点画像計測が求められる課題のひとつとして,
演技中の体操競技選手の姿勢計測がある.
選手の姿勢データは技の解析や,
競技会における採点支援などに利用できる.
しかし,動作が速くまた体操器具によって選手が遮蔽されるため
従来の手法では選手の姿勢計測は困難である.
本研究では、これらの条件に適した姿勢計測手法を提案した.
計測の基本手法として2次元人体モデルと画像とのマッチングに基づく方法を用いた.
2次元モデルを用いたのは鉄棒運動が,近似的に2次元運動とみなせるからである.
モデルは2次元であるが,各物体とカメラとの相対的な前後関係を考えるために,
画像全体としては複数のレイヤーからなる層構造をもつ.
実際の競技会を単眼固定ビデオカメラで撮影した動画像を用いて,
これら提案手法が体操競技選手の姿勢計測に有効であることを示した.